■「敵のOS攻撃は最大の防御」

 北朝鮮のサイバー計画は少なくとも1990年代半ばまでさかのぼる。当時の最高指導者、金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong Il)総書記は、「これからは、すべての戦争がコンピューター戦争になる」と述べたとされる。

 2020年7月に米軍が発表した報告書によると、北朝鮮は現在6000人のサイバー戦争部隊、通称「121局(Bureau 121)」を擁し、ベラルーシ、中国、インド、マレーシア、ロシアなど数か国に拠点を置いている。

 2007年に脱北した元訓練生、張世烈(チャン・セヨル、Jang Se-yul)さんによれば、121局に入ると、美林大学(Mirim University)などの機関でさまざまなプログラミング言語と基本ソフト(OS)について学ぶ。

 美林大学は、今は自動化大学(University of Automation)として知られ、最優秀の成績を収めた自国の学生の中から毎年100人をよりすぐって養成している。

 米国のサイバー戦争能力に対処しなければならないと教えられたと張さんはAFPに明かした。「独自のハッキングプログラムを開発するよう教わった。敵のOSを攻撃するのは最大の防御だからだ」

 米シンクタンク、スティムソン・センター(Stimson Center)の研究員、マーティン・ウイリアムス(Martyn Williams)氏は、「航空機や戦車などの現代兵器の装備で劣っている」北朝鮮のように小さな貧困国にとって、サイバー戦争は魅力的だと言う。「ハッキングは、コンピューターとネットの接続環境があればできる」