【5月31日 AFP】スイスの19歳のバイクレーサー、ジェイソン・デュパスキエ(Jason Dupasquier)がレース中の事故後に死亡したことを受け、ロードレース世界選手権(WGP)、MotoGPクラスのファビオ・クアルタラロ(Fabio Quartararo、フランス)が「まだほんの子どもだった」と話すなど、選手らがその死を悼んだ。

 プリュステルGP(CarXpert PruestelGP)からMoto3クラスに参戦していたデュパスキエは、29日に行われた今季第6戦イタリアGPの予選で転倒したところを他のバイクに追突され、搬送先の病院で命を落とした。

 訃報が大会中に伝えられたことを受け、30日に行われたMotoGPクラス決勝で優勝し、年間首位を維持したモンスターエナジー・ヤマハ(Monster Energy Yamaha)のクアルタラロは表彰台でスイス国旗を手にし、デュパスキエを「友人」と呼んで将来有望な若者の早すぎる死を悼んだ。

 クアルタラロは「選手は皆リスクを承知の上だが、実際に仲間が命を失うのはつらい」とコメント。さらに「この勝利はジェイソンのものだ。彼のことはまだよく知らず、ほんの子どもだった。なるべく考えないようにしたが、事故が起こった場所を通るたびに彼のことが頭をよぎった」と明かした。

 世界選手権の大会中に選手が死亡するのは、2016年のカタルーニャGP、Moto2クラスのフリー走行で転倒し、命を落としたルイス・サロム(Luis Salom、スペイン)の事故以来およそ5年ぶりとなる。30日のレース前には、デュパスキエを悼んで1分間の黙とうがささげられた。

 他の有力選手やモータースポーツ関係者も追悼のコメントを発している。

 ドゥカティ・レノボ・チーム(Ducati Lenovo Team)のジャック・ミラー(Jack Miller、オーストラリア)はツイッター(Twitter)に「安らかにジェイソン。家族とチームのことをおもんぱかる」と書き込んだ。

 統括団体の国際モーターサイクリズム連盟(FIM)、各チームが所属する国際ロードレーシングチーム協会(IRTA)、MotoGPの商標権を保有するドルナ・スポーツ(Dorna Sports)は共同でコメントを出し、デュパスキエの死を「極めて残念」と嘆いた。

 所属するプリュステルGPは決勝レースから撤退した。同じスイス出身のMoto2選手トーマス・ルティ(Thomas Luthi)も、病院にいるデュパスキエの家族のそばで過ごすため棄権した。

 悲劇的な事故の悲しみに耐えるようにして行われたMotoGPクラスの決勝では、予選でコースレコードを出していたクアルタラロがポールトゥウィンを飾り、シーズン3勝目を挙げて総合順位で後続との差をさらに広げた。

 レッドブルKTMテック3(Red Bull KTM Tech 3)のミゲル・オリベイラ(Miguel Oliveira、ポルトガル)が2位、チーム・スズキ・エクスター(Team SUZUKI ECSTAR)の昨季王者ジョアン・ミル(Joan Mir、スペイン)が3位に入った。

 年間順位では、4位に入ったプラマック・レーシング(Pramac Racing)のヨハン・ザルコ(Johann Zarco、フランス)が24ポイント差の2位に浮上し、途中で転倒リタイアとなったドゥカティのフランチェスコ・バニャイア(Francesco Bagnaia、イタリア)は26ポイント差の3位に後退した。このところ2連勝中だったミラーが31ポイント差の4位につけている。(c)AFP