【5月30日 AFP】イタリアで、イスラム文化圏で行われる見合い結婚を拒否したパキスタン人の女性が家族に殺害された疑いが浮上し、警察が女性の遺体を捜索している。

 この女性はサマン・アッバス(Saman Abbas)さん(18)。警察は29日、アッバスさんの両親とおじ、そしていとこ2人の計5人を殺人容疑で捜査していると発表した。

 イタリア北部ノベッラーラ(Novellara)に住んでいたアッバスさんは昨年、家族が計画していた母国のいとことの見合い結婚に反発した。

 未成年だったアッバスさんは社会福祉機関に頼り、昨年11月に保護施設に入った。アッバスさんは両親について警察に通報したが、今年4月11日に家に戻った。

 今月5日に警察がアッバスさんの家を訪れたところ無人となっていたため捜査が始まった。両親はアッバスさんを連れずにパキスタンに向かったことが分かった。

 近くの防犯カメラ映像を調べたところ、先月29日夜にシャベルとバール、そしてバケツを持って家を出て、2時間半後に戻ってきた5人の姿が映っており、警察は最悪の事態も想定するようになった。

 5人は全員、イタリアから出国し、パキスタンに向かったとみられている。

 28日夜には、アッバスさんとの連帯を示すためノベッラーラの地元当局が集会を開き、数百人が参加した。(c)AFP