【5月28日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2021)、男子シングルスのドローが27日に発表され、通算13度の大会制覇を誇るラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)をはじめ、ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)とロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)は同じトップハーフにそろい踏みとなった。

 世界ランキングが3位に後退していたことから大会第3シードにつけているナダルは、トップシードのジョコビッチと決勝前に激突することになった。順当に勝ち進めば、両者は準決勝で相まみえることになる。

 トーナメントディレクターのギー・フォルジェ(Guy Forget)氏は、全仏で1勝もしたことがないダニール・メドベージェフ(Daniil Medvedev、ロシア)ではなく、ナダルを第2シードに繰り上げる考えもよぎったことを認めつつ、「現在のクレーコートは真のスペシャリストが戦うサーフェスだが、今回はATPランキングに従うことに決めた」とし、「メドベージェフはランキングを奪ったわけではなく、勝ち取った」と述べた。

 グラス(芝)コートで行われるウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)では、大会での実績などが考慮されてシード順位が決められている。

 2016年大会覇者のジョコビッチは、全仏決勝では2012年と2014年に続き2020年にナダルと対戦していずれも敗れている。今大会第8シードで2009年大会王者のフェデラーとは、準々決勝で顔を合わせる可能性がある。

 男子テニス界のビッグ3と呼ばれるナダル、ジョコビッチ、そしてフェデラーは、30日に開幕する全仏でそれぞれ金字塔を打ち立てる可能性がある。

 男子歴代1位のグランドスラム通算20勝ずつをマークしているナダルとフェデラーが今大会で記録更新を目指している一方で、同18勝のジョコビッチが今大会で優勝すれば、ここ50年間におけるメジャー4大会でぞれぞれ2回以上優勝した史上初の男子選手となる。

 グランドスラムで合計58回のタイトル獲得を誇るこの3人が、メジャー大会のドローで同じハーフに入るのは今回が初めとなるが、2014年の全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2014)覇者であるマリン・チリッチ(Marin Cilic、クロアチア)もその中に加わっていることから、史上最も厳しいメジャー大会になると予想される。

 一方、今大会のボトムハーフでグランドスラムの優勝経験があるのは、昨年の全米オープン王者で第4シードのドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)だけとなっている。(c)AFP