【5月28日 AFP】フランステニス協会(FFT)のジル・モレットン(Gilles Moretton)会長は27日、女子世界ランキング2位の大坂なおみ(Naomi Osaka)が全仏オープンテニス(French Open 2021)の記者会見をボイコットすると決断したのは「とんでもない間違い」であり、「受け入れられない」行為であると厳しく非難した。

 四大大会(グランドスラム)で通算4度の優勝を誇る大坂は、30日に開幕するローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)の期間中には記者会見に一切応じないと26日に表明した。理由は、試合後の会見で「落ち込んでいる人間を踏みにじる」ような質問をされ、精神衛生に影響が出る不安があるためとしている。

 しかしながら、モレットン会長は「これはとんでもない間違いであり、強力な規定が必要かもしれないほどの事態だ」と大坂を批判し、「私の意見では、このようなことは許されることではない。われわれはテニスの促進を目指している」と述べた。

 23歳の大坂は、記者会見を欠席するごとに2万ドル(約218万円)の罰金を科される可能性があるものの、2020年には女子スポーツ選手でトップの計3700万ドル(約40億円)を稼いでおり、経済的なインパクトはほとんどないと思われる。罰金については、メンタルヘルスの慈善活動に寄付すると話している。

 テニスの大会規定では、選手は必ず試合後に記者会見に出席しなければならない。また、大会前にはメディア対応を求められる。

 全仏オープンのトーナメントディレクターを務めるギー・フォルジェ(Guy Forget)氏は、大坂の決断に衝撃を受けたと明かし、現在も進行中である新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)によって組織的な苦境が続いていることから、同選手に否定的な姿勢を示した。

「大会が進むにつれて、大坂がどのように振る舞うか見守っていく。彼女が今後どのような態度に出るか分からないが、それはあまり前向きなメッセージの発信とはならないだろう」 (c)AFP