【5月26日 AFP】ラトビアの首都リガで行われているアイスホッケーの世界選手権(2021 IIHF World Championship)で、ラトビア側がベラルーシ反体制派の旗を掲げたことが物議を醸している。国際アイスホッケー連盟(IIHF)は25日、ラトビア側に抗議し、連盟が政治的に中立な組織であることを強調している。

 ラトビアはこの大会で、ベラルーシ国旗ではなく反体制の象徴である白・赤・白の旗を掲示し、ベラルーシが国際線の旅客機を首都ミンスクに強制着陸させ、乗っていた反政権派ジャーナリスト、ロマン・プロタセビッチ(Roman Protasevich)氏を拘束したことへ抗議した。

 これに対して、ベラルーシ側は大使を含めたラトビア外交団全員を国外へ追放。すると今度はラトビアもベラルーシの外交団追放を決めた。

 21日に開幕した世界選手権は、もともとベラルーシとラトビアの共催だったが、「保安上の懸念」からラトビアの単独開催になった経緯がある。

 IIHFは「リガ市長とラトビア外相が昨日、世界選手権の出場国にまつわる旗を使って政治的なメッセージを発したことには賛成できない」と述べ、「ベラルーシ政府の行動と、ベラルーシ国旗の下、大会に参加している選手とは無関係だ。選手はゲストとしてラトビアに歓迎されており、参加16か国の国旗から、自分たちの旗が同意なく外されるところを見なくてはならないのは、ふさわしい扱いではない」と続けた。

 IIHFはリガ市長に対して、連盟と「政治的主張とのつながりがないことを示す」ため、連盟の旗を国旗が掲示されているエリアから降ろすことを要求したという。反体制派の旗についても再考を求めているが、市長側は旗を降ろすことはないと要求を拒否している。(c)AFP