【5月26日 AFP】フランスのカヌー選手、ギヨーム・ブルジェ(Guillaume Burger)が、予選での手違いにより東京五輪の出場権を失い、フランスカヌー・カヤック連盟(FFCK)と国際カヌー連盟(ICF)が国際オリンピック委員会(IOC)に救済を求める事態になっている。

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 スプリント・カヤック種目を専門とするブルジェは、15日にハンガリーで行われた予選会で1000メートルに出場し、五輪の出場権が得られる2位に入ったはずだった。ところがその翌日、ICFはブルジェが予選の出場資格を持っていなかったため失格にすると発表し、3位のラース・マグネ・ウルバン(Lars Magne Ullvang、ノルウェー)が東京五輪に出場することになった。

 東京五輪に出場する選手の数を制限するため、ICFは各地域や国に出場枠を割り当て、各予選会にエントリーできる人数に上限を定めている。そしてブルジェが出場登録リストに加わったのは大会が行われたわずか2日前だった。

 FFCKのテクニカルディレクターは「ICFに書簡を送ってわれわれに出場資格があるかを尋ねたところ、あるという回答だった」と話している。しかしICFはその後、自分たちにルールを誤解するミスがあったことを認めた。

 ブルジェはスポーツ日刊紙レキップ(L'Equipe)に対して、「ICFから謝罪があった」と明かし、「五輪のために予選に出たが、レース後にフランスには出場資格がなかったと言われた」と続けた。

「希望があるとすれば、ミスを犯したのは自分たちの側だとICFが認めていることだ。僕らはICFとFFCK、さらにノルウェー連盟と共に異議申し立てをする予定でいる」

「目的はIOCに訴えることだ。彼らはスポーツマンシップとフェアプレーを保証する立場にある。僕らとしては、3位のノルウェーの選手を傷つけずに出場枠を取り戻せればと思っている」

 ウルバンもブルジェをサポートする考えで、インスタグラム(Instagram)に「残念ながら、後味の悪い喜びだった。僕にとっての良い知らせが、彼にとっては大きな失望だった。ギヨーム・ブルジェが東京五輪のスタートラインに立てることを心から願っている」と書き込んだ。

 FFCK側は最終的にスポーツ仲裁裁判所(CAS)に訴えを起こす可能性も示唆している。(c)AFP