【5月26日 AFP】アントニー・ブリンケン(Antony Blinken)米国務長官は25日、パレスチナとの関係再構築に向け、中東エルサレム(Jerusalem)の米領事館を再開し、交戦で荒廃したパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)の再建・経済支援に7500万ドル(約81億6000万円)を拠出すると表明した。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)前政権は2019年、米国のパレスチナ代表部として機能してきたエルサレムの領事館を閉鎖し、自治政府への援助も削減。ブリンケン氏の発表は、前政権からの方針転換となる。

 イスラエルとパレスチナの11日間に及ぶ武力衝突は21日、停戦合意が発効したが、イスラエルによる併合・占領下にある東エルサレムとヨルダン川西岸(West Bank)では緊張が続いている。ブリンケン氏はこうした中、中東歴訪の一環として、イスラエルとエルサレム、ヨルダン川西岸を訪問した。

 ブリンケン氏はヨルダン川西岸ラマラ(Ramallah)でパレスチナ自治政府のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長と会談後、領事館再開を表明。ただ、ガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)のロケット弾攻撃に対するイスラエルの自衛権を支持すると繰り返したほか、経済支援でハマスが利益を得るようなことがあってはならないと強調した。

 だがブリンケン氏は、米国が「パレスチナ自治政府とパレスチナ人との関係再構築」に取り組んでいくと強調。イスラエル・パレスチナ間の紛争解決には、パレスチナ国家樹立を認める「2国家共存」が「唯一の道」だと表明した。(c)AFP