【5月24日 AFP】アイルランド政府は24日、ベラルーシの反政権派が乗っていたアイルランドの航空会社ライアンエア(Ryanair)の旅客機がベラルーシ当局によって同国首都ミンスクに緊急着陸させられたのは、「国家主導」の「空の海賊行為」だと非難した。

 サイモン・コーブニー(Simon Coveney)外務・国防相は、公共放送RTEに対し、「警告や厳しい言葉の発表文で済ませてはならない事件だ。実のある制裁を科されなければならないと考えている」と主張。「これは実質的に空の海賊行為だ。それも、国家主導のだ」と述べた。

 報道によると、ライアンエア機はギリシャの首都アテネからリトアニアの首都ビリニュスへ向かう途中、ベラルーシの戦闘機に行く手を遮られ、ミンスクに誘導された。緊急着陸後、乗客だったベラルーシ反政権派のジャーナリスト、ロマン・プロタセビッチ(Roman Protasevich)氏が当局に身柄を拘束された。

 コーブニー氏は、「これはアイルランドの航空会社で、欧州連合(EU)の市民が大勢乗っており、EU加盟2か国の首都を結ぶ路線だった」と強調。「EUは、この問題に明確な対応をしなければならない。さもなくば、われわれはありとあらゆる間違ったメッセージを発することになる」と語った。(c)AFP