全米プロ最終盤のギャラリー殺到、ミケルソンは喜ぶもケプカは怒り
このニュースをシェア
【5月24日 AFP】23日に行われた男子ゴルフ米国ツアーメジャー第2戦、第103回全米プロゴルフ選手権(2021 PGA Championship)最終日の最終ホールで、大勢の観客がコースになだれ込む騒ぎが起こったことについて、優勝したフィル・ミケルソン(Phil Mickelson、米国)が喜ぶ一方で、けがをしている2位のブルックス・ケプカ(Brooks Koepka、米国)は不快感をのぞかせた。
大会はミケルソンが米メジャー史上最年長となる50歳での優勝を果たしたが、最終組のミケルソンとケプカは最終18番のグリーンで、歴史的な瞬間を見届けようと集まった無数のギャラリーにのみ込まれた。
2位と2打差で最終ホールを迎えたミケルソンは、ティーショットを左に曲げ、テント近くのギャラリーが集まるラフへ入れてしまったが、ファンが「レフティー」の大歓声を浴びせる中でボールに歩み寄り、アプローチショットをピンから約5メートルの位置につけた。
すると、大勢のギャラリーはミケルソンの後についてグリーンへ向かい、さらにはミケルソンへぶつかりながら、少しでも良い見物場所を確保しようと競い合うようにしてミケルソンを取り囲んだ。ミケルソンの周囲を固める警備員や警察官は多勢に無勢だったが、それでもミケルソンは彼らに先導され、群衆をかき分けてパットへ向かった。
メジャー6勝目を挙げたミケルソンは、「最初は少し怖かったが、そのうち素晴らしい気分になった。信じられない経験だった」と話し、タイガー・ウッズ(Tiger Woods、米国)が2018年のザ・ツアー選手権(THE TOUR Championship 2018)で復活優勝を飾ったときと同じ、象徴的なものになりそうな光景を楽しんだ。
「初めての経験だったし、あれだけの興奮と熱気を目の前で見て、感じられたのは本当に格別だった」
「一生堪能できる瞬間になった」
一方、ミケルソンと2打差の2位タイとなったケプカは、大混乱の中でぞんざいな扱いを受けた。メジャー4勝を挙げているケプカは、2か月前に手術した右膝に痛みが残る中でプレーを続けていたにもかかわらず、不意に殺到してきたギャラリーに乱暴に扱われたという。
ケプカは「膝を負傷しておらず、僕のことを全く気にかけていないギャラリーに膝を何度か小突かれていなければ、クールな経験だっただろうね」と話し、「フィルにとっては最高だっただろうが、何回かぶつかられた自分からすれば楽しいとは言えない」と続けた。(c)AFP/Jim SLATER