【5月22日 東方新報】中国のオンライン旅行会社、携程携程(シートリップ、Ctrip)によると、今年の労働節(メーデー)連休期間(5月1~5日)で、遼寧省(Liaoning)瀋陽市(Shenyang)にある瀋陽故宮(Mukden Palace)が新しい人気観光スポットのトップ3に選ばれた。約400年前に建てられた宮殿が「若返り」策を図った成果という。

 北京の故宮に比べ日本ではあまり知られていない瀋陽故宮だが、1625年に着工して1636年に完成し、北京の故宮と並び中国で最も保存状態の良い歴史的宮殿だ。清朝の初代皇帝ヌルハチと2代皇帝ホンタイジが居住し、3代皇帝順治帝が都を北京に移した後も離宮として使用され、代々の皇帝が先祖の墓参りの際に滞在した。2004年に国連教育科学文化機関(ユネスコ、UNESCO)の世界文化遺産に指定されている。

 面積は6万平方メートルで北京の故宮の12分の1しかないが、70以上の建物に500以上の部屋を擁し、多くの文化財が保管されている。近年は「若返り」をキーワードとして、清朝時代の宮廷の美しい玉器、漆器などを披露した「金玉満堂」展、乾隆帝の書などを公開した「盛京書房」展をはじめ40件のイベントを立て続けに開催。瀋陽故宮をかたどったアイスクリーム、宝剣型の箸(はし)、聖獣チョコレートといった食べ物やグッズが若者の間で「かわいい」「映える」と人気となった。また、建物の油彩装飾画の修復作業をインターネットでライブ配信するなど、生の姿を全国に伝えた。

 労働節の連休中は過去最高の13万7000人の観光客が訪れ、このうち18~30歳の若者層だけで41.8%を占めた。チケット収入もグッズ・土産収入も過去最高を記録した。

 瀋陽市というと国有企業の重厚長大産業が多く、工場からのばい煙で大気汚染が深刻となり、中国では「暗い煙の街」というイメージも強かった。瀋陽は宮廷料理からギョーザまでグルメが豊富で観光スポットも多い地域。街の象徴である瀋陽故宮の人気が若者の間で高まり、街全体のイメージアップも期待される。(c)東方新報/AFPBB News