【5月20日 東方新報】中国政府は5月11日、10年ぶりに国勢調査の結果を発表した。2020年時点で、中国の総人口は14億1000万人に達し、10年前に比べて7206万人が増加した。中国の総人口は依然として世界1位で、世界総人口の約18%を占めている。そのうち、0〜14歳の児童が2億5000万人で、17.95%を占めている。10年前と比べて3092万人増加した。16〜59歳の働く世代は8億8000万人で、63.35%を占めている。65歳以上の高齢者は1億9000万人で、13.50%を占めている。

 このデータが発表された後、いくつかの重要な数字について中国国内外から疑問の声が上がっている。例えば、「児童総数は毎年の新生児の合計と一致していない」「中国の児童はそれほど多くないはずだ」などがあった。これに対して、中国国家統計局が12日にこのように説明した。

 まず、2つのデータのソースが異なることに起因する。中国の国勢調査は10年ごとに行われる。このほか、毎年は人口のサンプル調査も行われている。国勢調査の年以外の年に発表された新生児のデータは主にサンプル調査から推測されたもので、実際の数字とは多少の違いが生じる場合がある。

 また、国勢調査は全面的な調査であり、予測計算をする必要がない。特に今回の国勢調査では、一連の新しい技術や手法を採用し、プロセス全体の品質管理を強化したことで、見逃す率が大幅に減少し、わずか0.05%にすぎない。つまり、これまで見逃してきた多くの人々が、今回の国勢調査によって登録されたことになった。

 現在、国際社会の多くの人々は、中国が少子化と高齢化という二重の課題に直面し、中国の経済発展を支えてきた「人口ボーナス」が消えつつあると考えているようだ。しかし、今回発表された人口データを見る限り、中国の人口ボーナスは今後もしばらく続くと考えられる。

 今回の人口統計データによると、16〜59歳の働く世代は8億8000万人で、人口の平均年齢は38.8歳、労働力の人口資源としてまだかなり豊富だといえる。また、働く世代のうち、高校以上の学歴を持つ人口は3億8500万人で、43.79%を占める。2010年に比べて12.8ポイント増加した。過去10年間で、都市部の居住人口は2億3600万人増加し、都市化が急速的に進んだ。中国の流動人口は3億7600万人に達し、10年間で約70ポイント増加した。これらの流動人口は沿海地域や大都市に集中している。

 以上の人口変化の傾向は、高い品質の経済発展に移行している中国の歴史的プロセスと一致している。過去数十年にわたり、中国の急速な経済発展は、人口ボーナスの持続的放出と密接に関係してきた。そしていま、中国で都市化が進み、投資も需要も成長している。膨大な人口の規模と高いレベルの労働力は、中国の今後の経済発展の大きな支えになりそうだ。

 しかし一方、中国の人口構成に深刻な問題を抱えていることも確かだ。例えば、出生率は1.3と低い水準にあり、60歳以上の人口は2億6000万人を超え、全人口規模の18.7%を占め、少子高齢化がさらに進んでいる。長期的に見れば、中国は依然として厳しい挑戦に直面している。(c)東方新報/AFPBB News