【5月23日 CNS】中国で春に出回る新茶のうち、高級茶葉が投機対象となって価格が高騰している。茶葉を皿状に固めた「茶餅」(約350グラム)が「1つの茶餅で1台のBMWが買える」という言葉がインターネットのトピック検索で話題となった。株や先物取引と同じ投機商品となった高級茶葉は「買う人は飲まない、飲む人は買わない」といわれている。

 お茶は以前から投機の対象となっており、1990年代には、ウーロン茶の一種の鉄観音茶王が1斤(0.5キロ)あたり3万元(約50万7300円)で売られ、中国最高峰の紅茶ともいわれる金駿眉は1斤が7万元(約118万円)まで高騰した。

 現在、「投資茶」「金融茶」といわれる代表がプーアル茶で、茶餅1つの値段は28万元~32万元(約473万円~541万円)に達している。お茶投機家の趙明新(Zhao Mingxin)さんは「これはお茶の投機市場の中間価格帯にすぎない。最も人気のある『班章六星孔雀青餅』は約84万元(約1420万円)の価値がある」と話す。

 北京市朝陽区(Chaoyang)にある茶葉店オーナーの洪さんは「お茶を豪華に包装して派手な商品名をつけ、『希少品』『職人の傑作』『非売品』などの誇大広告で、1斤あたり数千元から数十万元まで価格をつり上げる商法が横行している」と説明する。

「狂乱市場」と呼ばれる茶葉の高騰はなぜ起きるのか。業界関係者によると、大手企業が生産量の少ない高級茶葉を出荷段階で独占し、売り惜しみすることで新茶の価格を押し上げている。さらに茶葉をオークションで売り出して自ら買い戻し、相場をつり上げていくという。

 ある業界関係者は「市場の後ろにいる『大物』が最も利益を上げている。入念な計画で出荷量を決め、販売代理店を選別して出荷を管理し、利益を最大化している」と実情を明かす。(c)CNS-工人日報/JCM/AFPBB News