【5月22日 CNS】中国では労働節(メーデー)連休中(5月1~5日)、都会から離れた山奥の村や漁村を観光する「田舎旅行ブーム」でにぎわった。新型コロナウイルス感染症が抑制され、都会の住民が大自然に包まれ、海の幸や山の幸を味わい、日々のストレスから解放された。

 最近の連休は、網紅(インフルエンサー)が勧めるスポットに観光客が詰めかける傾向があったが、今年の労働節は規模の小さい牧歌的な観光地に人気が集まった。

 蘭州市(Lanzhou)に住む呉克明(Wu Keming)さん一家は、甘粛省(Gansu)隴南市(Longnan)康県(Kang)の陽壩森林農場を観光先に選んだ。体内を浄化するような新鮮な空気に包まれ、緑色の翡翠(ひすい)のような美しい森で田舎暮らしを体験。呉さんは「いろいろな美しい思い出がよみがえってくる」と満足げに話した。

 旅行サイト大手の飛猪(Fliggy)で「田舎旅行」の人気は高まっており、農村や大自然観光の関連検索量は清明節の連休(4月3~5日)と比較して150%以上増加した。

 美しい砂漠の景色で有名な寧夏回族自治区(Ningxia Hui Autonomous Region)中衛市(Zhongwei)の沙坡頭、山あいに伝統の集落が残る江西省(Jiangxi)上饒市(Shangrao)の葛仙村(Gexian)、川下りが人気の広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)桂林市(Guilin)陽朔県(Yangshuo)の遇龍河、ミャオ族最大の伝統集落がある貴州省(Guizhou)南東部の西江(Xijiang)の千戸苗寨などで予約が急増している。

 遠方の自然旅行ブームに合わせ、飛猪のプラットフォームでは農産物などの農家関連商品の注文も前年比260%増加した。

 中国では急激な経済成長で各地の都会化が進む中、昔ながらの農村や漁村は都市の住民があこがれる「楽園」として、観光人気が高まっている。農業農村部は3月に全国60か所の「春の農村観光ルート」を発表している。(c)CNS/JCM/AFPBB News