【5月19日 AFP】(更新)暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(Bitcoin)の価格が19日に急落し、一時30%安の3万17ドルまで下がった。中国が仮想通貨に関する新規制を発表したことや、米電気自動車(EV)大手テスラ(Tesla)のイーロン・マスク(Elon Musk)最高経営責任者(CEO)の発言を受けて売りが進んだ。

 価格はその後、3万3000ドル台まで回復した。今回の底値は、先月記録した過去最高価格の半分以下だが、年始の水準よりは高い。

 中国ではかつて、仮想通貨取引の約9割が行われていたが、資金の海外流出阻止を目指す政府は2019年、マネーロンダリング(資金洗浄)対策として仮想通貨の取引を禁止。ただ今も、世界の仮想通貨マイニング(採掘)の大部分が中国で行われている。

 そうした中、中国の中央銀行、中国人民銀行(People's Bank of China)がソーシャルメディア上に出した声明によると、同国の3つの金融業界団体は、仮想通貨による決済を禁止する方針を発表。投資家に対し、仮想通貨の投機的な売買を行わないよう警告した。

 ビットコイン価格はここ数日、マスク氏とテスラの動向を主な要因として下落を続けている。テスラは先週、仮想通貨のマイニングには大量の電力が消費され、環境への影響が懸念されることから、自社EV購入代金のビットコインを使った支払い受け付けを停止すると発表した。さらにマスク氏は、同社が保有する巨額のビットコイン売却を示唆。ただ後に、同社はビットコイン売却には至っていないと明言した。(c)AFP