【5月19日 AFP】妊娠や出産のため大会に出場できず、東京五輪出場を逃したボクシング女子のマンディ・ビジョルド(Mandy Bujold)について、母国カナダの担当相が再検討を求める書簡を国際オリンピック委員会(IOC)に送ったことが分かった。AFPが18日に書簡を入手した。

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 パンアメリカン競技大会(Pan American Games)で二つの金メダルを獲得し、国内女王に11回輝いているビジョルドは、妊娠と産休のため2018年と2019年に休養し、その後は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)により、2年連続で予選が中止になったため、東京五輪の出場権を逃した。

 そのビジョルドについて、カナダのスティーブン・ギルボー(Steven Guilbeault)民族遺産相はIOCのトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長と理事会に宛てた書簡で「母親になるという2018年の決断が不利にはたらいたり、五輪出場を妨げる要因になったりしては絶対にいけない」と訴え、「マンディ・ビジョルドを東京五輪から除外する判断を再考することをIOCに求める」と述べた。

 同相はツイッター(Twitter)でも「マンディ・ビジョルドを東京五輪から除外すれば、女性は選手や母親になることはできるが、両立はできないという間違ったメッセージを女子選手に送ることになる」と書き込んだ。

 ビジョルド自身も4月、五輪の選考基準を見直すようIOCに要求し、スポーツ仲裁裁判所(CAS)にもIOCの判断に対する異議申し立てを行っている。

 現在33歳のビジョルドは2016年のリオデジャネイロ五輪では5位で、CBSスポーツ(CBS Sports)に対して、東京五輪でメダルを獲得して引退するのが夢だと話している。(c)AFP