ケニアでヘロインまん延 かつての密輸中継地が一大市場に
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■コロナ禍で薬物使用者が増加
ケニアは2018年に沿岸警備隊を設立し、モンバサの港でのコンテナ検査を強化した。最近では、ナイロビの国際空港で国際刑事警察機構(インターポール、Interpol、ICPO)が主導する麻薬検知プログラムにも参加している。
UNODCによると、アフリカで押収されたヘロインやモルヒネの量は2008年から2018年にかけて10倍に増加し、大多数の押収先が東アフリカだった。
「新型コロナウイルスの現在の感染状況も、使用者が増える要因になっているのは確かだ」とケニアの薬物使用者ネットワーク「KeNPUD」のジョン・キマニ(John Kimani)代表は指摘。失業などで気持ちが落ち込み、薬物に走るのだと話した。
ケニアは、ヘロインの禁断症状を緩和させ、離脱を助ける代替療法として用いられるメタドンの提供機会を増やしている。
UNODCによると、ケニアでは10か所ほどのクリニックでおよそ7000人のヘロイン常用者を治療している。だが、助けを必要とする全員には手が回らない。
ナイロビ市内で路上生活を送っているジェームズ・クウェンガ(James Kwenga)さんの場合、一番近い医療機関は市内の反対側にあり、そこまで行くには約150ケニア・シリング(約150円)の交通費がかかる。
「毎日(通院するの)は無理だ。無職だから」とクウェンガさんは言う。「この近くに来てくれないと、この薬と手を切れない連中が大勢いる」 (c)AFP/Romain FONSEGRIVES