【5月16日 AFP】イスラエルとパレスチナの間でここ数年としては最悪の攻撃の応酬が続いている中、全米各地で15日、パレスチナとの連帯を示すデモが行われ、参加者らはイスラエル軍にガザ地区(Gaza Strip)への攻撃を中止するよう求めた。

 デモが行われたのはニューヨーク、ボストン、ワシントン、ミシガン州ディアボーン(Dearborn)など。

 ニューヨーク・ブルックリン(Brooklyn)のベイリッジ(Bay Ridge)地区では「パレスチナを守れ」と銘打たれたデモに約2000人が集まり、パレスチナの旗を振り、「イスラエルはアパルトヘイトを止めよ」と書かれたプラカードなどを持ちながら「フリー・パレスチナ(パレスチナを解放せよ)」と声を上げた。

 参加者らはアラブ人が多く住む地区で道路を占拠。多くはパレスチナ旗と同じ黒と白、あるいは赤と白の服とアラブの男性がかぶる頭巾「カフィーヤ」を身に着け、道行く車もクラクションを鳴らした。「パレスチナに連帯」と書かれたプラカードを持ち参加するユダヤ人もいた。

 マンハッタンに住む企業戦略家のエムラン・カーン(Emraan Khan)さん(35)は「パレスチナ人の命とイスラエル人の命は同等であってほしいが、そうなっていないのが現状だ」と語った。「核武装した国家と、石しか持たない村人の国家があれば、誰が悪いのかは明らかだ」

 コネティカット州から来たという学生のアリソン・サンブラノ(Alison Zambrano)さん(20)は「パレスチナ人には自由に生きる権利があり、ガザの子どもたちは殺されるべきではない」と訴えた。

 50年前からニューヨークに住んでいるというパレスチナ人のマシュフール・アフマド(Mashhour Ahmad)さん(73)は、「攻撃されている被害者を責めるな」と述べ、「(ジョー・)バイデン(Joe Biden)氏と米政権は、殺りくへの支持をやめるべきだ。犠牲者を支え、抑圧を止めるべきだ」と強調。

「最近のイスラエル軍による暴力はジェノサイド(大量虐殺)だ」と続け、「占領をやめ、パレスチナを解放せよ」と書かれたポスターを頭上に掲げた。(c)AFP/Peter HUTCHISON