【5月14日 AFP】米プロバスケットボール協会(NBA)は13日、バスケットボール殿堂(Basketball Hall of Fame)入りの元名選手で、長年にわたる公民権運動の活動家としても知られるカリーム・アブドゥル・ジャバー(Kareem Abdul-Jabbar)氏の名前を冠した賞を新設したと発表した。

 新たに毎年表彰されることになった「カリーム・アブドゥル・ジャバー・ソーシャル・ジャスティス・チャンピオン賞」は、人種的平等、多様性、そして一体性の価値感を守るなど、社会正義への尽力が認められた現役選手に贈られる。

 アブドゥル・ジャバー氏は1969年にNBA入りしてロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)とミルウォーキー・バックス(Milwaukee Bucks)のセンターとして計20年間プレーし、通算6度のシーズン最優秀選手(MVP)受賞と通算19回のオールスター選出を誇ったほか、リーグ史上最多記録の通算3万8387得点を記録した。

 同氏は賞が新設されたことについて、「社会から疎外された全ての人への社会正義を促進するべく、献身的かつ無欲で闘う人々が認められるこの賞に携われることを光栄に思うと同時に感謝している」と喜ぶと、「私にとっては、この国と平等を重んじる全ての人のために、正しい方向へのまた別の大きな一歩になる」と語った。

 賞の選出方法は、全30チームがそれぞれの候補者を1人指名し、NBAのレジェンドをはじめリーグ役員と社会正義活動の指導者から構成される選考委員会が最終的に1人に絞ることになっている。受賞者は自分の代わりに10万ドル(約1100万円)を受け取る組織を選ぶことが可能となっており、残りのファイナリスト4人もそれぞれ賞金2万5000ドル(約270万円)を寄付する団体を決めることができる。

 現在74歳のアブドゥル・ジャバー氏は、17歳のときに米ニューヨークで故マーティン・ルーサー・キング(Martin Luther King Jr.)牧師に出会って刺激を受け、1960年代の公民権運動ではスター選手としての地位を利用して社会問題を訴える活動を始めた。2016年にはバラク・オバマ(Barack Obama)元米大統領から、文民最高位の「大統領自由勲章(Presidential Medal of Freedom)」を授与された。(c)AFP