【5月12日 AFP】エジプト観光・考古省は11日、南部ソハグ(Sohag)県で約4200年前の墓が約250基見つかったと発表した。埋葬用の縦穴や、玄室に通じる傾斜通路がある墓などが含まれているという。

 同省によると、見つかったのは古代エジプトの古王国時代(紀元前2700ごろ~前2200年ごろ)末期からプトレマイオス朝(前300年ごろ~前30年)末期にかけての年代の墓。

 エジプト考古最高評議会(Egyptian Supreme Council of Antiquities)のムスタファ・ワジリ(Mostafa al-Waziri)事務局長によると、古王国時代の墓の一つには、古代エジプト文字ヒエログリフを刻んだ跡がかすかに残り、「いけにえ」のための部屋があったという。

 発掘を率いた考古省幹部のムハンマド・アブデル・バディエ(Mohamed Abdel-Badie)氏によると、陶器などの古代エジプトの神々への奉納品、アラバスター(雪花石こう)製の小さな器、動物や人の骨、「(古王国)第6王朝時代の埋葬用食器」とみられる石灰岩のかけらなども発見された。

 エジプト政府は、2011年のアラブの春や今も続く政情不安、イスラム過激派による攻撃、新型コロナウイルスの流行などで打撃を受けた主要産業である観光を復活させるため、ここ数か月の間に大規模な考古学的新発見を相次いで発表している。(c)AFP