【5月11日 AFP】米宇宙企業アクシオムスペース(Axiom Space)は10日、史上初の完全に民間主導による国際宇宙ステーション(ISS)滞在ミッション「Ax-1」に向けた宇宙飛行士4人の訓練を間もなく開始すると、米航空宇宙局(NASA)との合同記者会見で発表した。

 4人は来年1月下旬、宇宙開発企業スペースX(SpaceX)が開発した有人宇宙船クルードラゴン(Crew Dragon)でISSに向かう予定だ。

 4人のうち、宇宙滞在経験があるのはNASAの宇宙飛行士だったマイケル・ロペズアレグリア(Michael Lopez-Alegria)氏ただ一人。残る3人はいずれも投資家の男性で、米国人のラリー・コナー(Larry Connor)氏とカナダ人のマーク・パシー(Mark Pathy)氏、イスラエル人のエイタン・スティバ(Eytan Stibbe)氏。

 アクシオムスペースのマイケル・サフレディニ(Michael Suffredini)社長兼最高経営責任者(CEO)は、「Ax-1」は約10日間に及ぶと明らかにした。4人はISSで米国区画に滞在し、多数の実験を行う予定だ。

 Ax-1を率いるロペズアレグリア氏は、「来週、『本格的な訓練』を開始する」と述べた。「以降は訓練のペースを上げていき、今秋開始予定のISSのシステムとクルードラゴンの訓練には、われわれ全員がほぼフルタイムで臨むことになる」

 さらに、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)のため、4人そろったのは数えるほどだが、絆を深めるため、7月に米アラスカ州でキャンプをする予定だと述べた。

 ロペズアレグリア氏は8月から、パイロットを務めるコナー氏は9月から、フルタイムの訓練を開始する。10月からは4人全員で、米テキサス州ヒューストン(Houston)でISSのシステムとクルードラゴンの訓練を始める。

 アクシオムスペースはAx-1を、世界初の商用宇宙ステーション建設に向けての第一歩と位置付けている。(c)AFP