【5月8日 AFP】スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さんの太った顔の写真が先月、世界中のソーシャルメディアで拡散された。しかし、いずれもフェイク画像で、1枚は2019年の報道写真から、もう1枚は2018年に撮影された動画のスクリーンショットから加工されたものだった。

 2枚の写真がツイッター(Twitter)に投稿されたのは先月17日。「How dare you(よくもそんなことを)」という言葉が添えられていた。これは、2019年9月にトゥンベリさんが国連(UN)で演説した際に、気候変動の問題に取り組んでいないと世界の首脳らを非難した時の表現だ。

 この写真は世界中のソーシャルメディアで拡散され、日本語や中国語、ロシア語、スペイン語、ドイツ語などでシェアされた。リアクションの数は数千に上り、中には写真が本物だと信じた人もいた。

 中国版ツイッター「微博(ウェイボー、Weibo)」に「家族が全員ベジタリアンなら、どうしてここまで太れるの?」と書き込むユーザーもいれば、「環境を守る気が本当にあるなら、地球のためにまず自分が減量するべき!」とツイッターに投稿するユーザーもいた。

 トゥンベリさんはこれまでも、たびたびネット上のフェイク情報の標的にされてきた。過去には、中国人に対して、木を伐採から守るために箸を使うなと発言したという話や、列車の窓の外から空腹に苦しんでいる様子の子どもたちがのぞいているのをよそに昼食を取っている画像も出回った。だがいずれについても、AFPはデマ、または加工した画像であることを突き止めている。

 今回、出回った写真のうち1枚は、販売代理店ゲッティイメージズ(Getty Images)による2019年の写真を反転したもので、元の画像より顔を明らかに膨らませてある。

 髪を編んだトゥンベリさんが写っている2枚目は、2018年にベルギーのブリュッセルで撮影された動画を加工したもので、元の動画はグーグル(Google)でも検索できる。(c)AFP