【5月8日 CNS】中国の北京市、上海市、成都市(Chengdu)、杭州市(Hangzhou)などの都市では最近、テーブルに抖音(Douyin)のQRコードカードを置く飲食店が増えている。QRコードを読み取るとそのお店のクーポン券が手に入ったり、動画上で人気の商品を見つけて割引購入したりできる。抖音はショートビデオ投稿プラットフォームとして広まったが、その膨大な情報量を活用して飲食業のほかホテル、観光などの分野にサービスを広げ、収益を上げようとしている。

 インターネット業界では「トラフィック(通信量)は『真実』である」という言葉がある。抖音は1日あたりのアクティブユーザーが6億人に達するとしており、この巨大な「データ倉庫」をビデオ投稿だけでなく、多くの生活サービスに生かす取り組みを始めた。抖音を運営する字節跳動(ByteDance)の創設者、張一鳴(Zhang Yiming)氏は「ビジネスにおいて境界を設定しない」と話している。

 抖音は全国に「ローカルプッシュ」チームを配置し、何千人もの営業担当者が各地の飲食店や販売業者に「お店の宣伝をしませんか」「インターネットで商品を販売しましょう」と売り込みをかけ、抖音を通じて飲食店のクーポン券発行やオンラインのグループ割引購入を進めている。観光客が抖音のアプリで自分のいる都市のタブを選択すると、おすすめレストランの紹介やホテルのクーポン券などのサービスがある。

 抖音の生活関連サービスはクーポン券発行とオンラインの商品グループ購入を中心に広まっているが、飲食店や販売業者との関係を維持し、デリバリーネットワークを構築する取り組みは現在進行形だ。今後、いかに業者のポテンシャルを引き出し、ユーザーに高品質の商品とサービスを提供するかが問われている。(c)CNS-経済日報/JCM/AFPBB News