【5月6日 AFP】男子ゴルフのロリー・マキロイ(Rory McIlroy、北アイルランド)は5日、再燃したゴルフ版の「スーパーリーグ」構想は「金もうけ」だと断じた。一方で全米プロゴルフ協会(PGA of America)は、新リーグと契約した選手は永久追放の可能性があると警告したという。

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 マキロイは失敗に終わったサッカーの欧州スーパーリーグ構想を引き合いに出し、メジャーで勝つことの方がお金を稼ぐことよりもモチベーションになると話した。

「先週サッカーの欧州スーパーリーグ構想で何が起きたかを振り返るといい」としたマキロイは「人々はあるがままの姿を見る。金もうけだ。できるだけ多くの金を稼ぐためにプレーしているのであれば問題ない。まったく問題ない。それで幸せだというのなら行けばいいし、やればいい」と続けた。

「これは個人的な信念なのだが、自分は歴史に名を刻んでレガシーを残し、メジャーを勝って世界最大のトーナメントを取るためにこの競技をしている。トップ選手は同じだと思う」

「それ(新リーグ構想)には大反対だ。誰が賛成するのか理解に苦しむ」

 報じられるところによると4日には、PGAツアーのジェイ・モナハン(Jay Monahan)コミッショナーが開幕を控えるウェルズ・ファーゴ選手権(Wells Fargo Championship 2021)で選手に対し、新リーグと契約した選手は即刻PGAから追放されると伝えたという。

 また、欧州ツアー(PGA European Tour)の最高経営責任者(CEO)キース・ペリー(Keith Pelley)氏は、全米プロゴルフ協会と団結しているとし、新たなリーグに「可能な限り強い言葉で」反対し、契約した選手は米国選抜と欧州選抜による男子ゴルフの対抗戦ライダーカップ(Ryder Cup)の出場資格を失うと明かした。

 マキロイは、既存のツアーから離脱する選手に極端に重い処分を科すことは問題ないとした。

「自分が生み出したものは自分で守らなければならない。自分が持っているものは自分で守らなければならない。競合は脅威だ。ジェイは昨夜、それをわれわれに説いてくれた。それはメンバーが記した規約に書かれている。もし自分がPGAツアーの責任者なら同じことをしただろう」

 報道によると、かつての「プレミアゴルフリーグ」の最新版に当たる「スーパーリーグゴルフ」では、選手16人が4人ずつのグループに分かれてチーム戦と個人戦を行い、参戦だけで2000万ドル(約22億円)から3000万ドル(約33億円)が支払われる選手もいるという。

 新リーグはトップ選手をターゲットとしており、世界ランク1位のダスティン・ジョンソン(Dustin Johnson、米国)や同2位のジャスティン・トーマス(Justin Thomas、米国)、リオデジャネイロ五輪金メダリストのジャスティン・ローズ(Justin Rose、イングランド)、メジャー通算4勝のブルックス・ケプカ(Brooks Koepka、米国)、同3勝のジョーダン・スピース(Jordan Spieth、米国)、そして先月第85回マスターズ・トーナメント(The Masters Tournament 2021)を制した松山英樹(Hideki Matsuyama)らに触手を伸ばしているという。

 しかしマキロイは、新リーグは実現するための十分なサポートを選手側から得られないとみている。「どうしたらそれが現実するのか考えられない。もしそちらへ行く人がいるのであれば、彼らはビッグトーナメントでプレーすることができなくなるんだろう?」

「ゴルフには深い歴史が刻まれている。もしそれから遠くに立ち去るのであれば、根本的にゴルフという競技の本質を失うことになる」 (c)AFP/Jim SLATER