【5月6日 AFP】サッカー欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2020-21)は5日、準決勝第2戦が行われ、チェルシー(Chelsea)はティモ・ヴェルナー(Timo Werner)とメイソン・マウント(Mason Mount)の得点でレアル・マドリード(Real Madrid)を2-0で下し、2戦合計スコア3-1でマンチェスター・シティ(Manchester City)が待つ決勝に駒を進めた。

 13度の欧州制覇を誇るレアルはチェルシーの力強さとスピードに全く対応できず、むしろこのスコアで救われた形だった。

 チェルシーは後半に入って疲れを見せたレアルを翻弄(ほんろう)し、圧勝していてもおかしくはなかった。

 それでもホームのチェルシーは28分、カイ・ハヴァーツ(Kai Havertz)のシュートがクロスバーに当たると、ヴェルナーが無人のゴールにヘディングを流し込んで先制に成功。さらに85分にはマウントがボールを押し込み、トルコ・イスタンブールで29日に行われる決勝に進むこととなった。

 1月に解任されたフランク・ランパード(Frank Lampard)前監督の後任に就いてから、チームの立て直しを主導したトゥヘル監督は「ピッチの上で集中力や前向きなエネルギーを一切失うことなく、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。当然の結果」とコメントした。

 大富豪で知られるロマン・アブラモビッチ(Roman Abramovich)オーナーを後ろ盾に昨夏投じた2億2000万ポンド(約289億円)は、チェルシーが唯一の欧州制覇を果たした2011-12シーズン以来となる決勝進出という形で報われた。

 トゥヘル監督は「ハングリー精神や守備への意欲を一切失わなかった」と述べ、「後半は守備組織がさらに良くなり、素晴らしいパフォーマンスだった」と続けた。

「もっと早く、より点を取って安全な状態にすることもできたが、今は批判している時間なんてない。素晴らしい快挙であり、チームをしっかり祝福したい」

 一方、レアルのジネディーヌ・ジダン(Zinedine Zidane)監督は、キャプテンのセルヒオ・ラモス(Sergio Ramos)を6週間ぶりに起用。また、けがの多いシーズンとなっているエデン・アザール(Eden Hazard)も先発メンバーに名を連ね、古巣チェルシーの本拠地スタンフォード・ブリッジ(Stamford Bridge)で再びプレーすることになった。

 しかしレアルは、相手ゴールを脅かす上でカリム・ベンゼマ(Karim Benzema)への過度な依存が露呈する結果となり、アザールはまたしても目立たぬ存在となった。

 ジダン監督は「もっとうまく前に出る必要があった」と話した。

「決定機が一つもなかった。彼ら(チェルシー)にはいくつかチャンスがあり、それがサッカー」としたジダン監督は、「われわれは戦い、努力もしたが、勝利と勝ち上がりにふさわしかったのは相手の方」と続けた。 (c)AFP/Kieran CANNING