【5月5日 AFP】デンマークのジュエリーブランド「パンドラ(Pandora)」は4日、よりエシカル(倫理的)な製品を作るため、天然ダイヤモンドの使用を停止すると明らかにした。

 同社は同日、ラボグロウダイヤモンド(合成ダイヤモンド)を使ったコレクションを発表した。まず英国で販売し、来年には世界展開する予定。同社は、合成ダイヤモンドは天然ダイヤモンドのすべての特質を備えながら、低価格という特徴があると説明している。

 手が届きやすい価格のジュエリーに特化しているパンドラは昨年、全製品に使用する金と銀を、2025年までにリサイクルされた素材にすると発表している。

 アレクサンダー・ラシク(Alexander Lacik)最高経営責任者(CEO)は、「ダイヤモンドは永遠というだけでなく、すべての人のためにある」と述べた。

 パンドラは、デンマークの首都コペンハーゲンで1982年に創業。多国籍企業に成長し、従業員は2万7000人を超えている。その約半数は、生産拠点があるタイで雇用している。1日当たりのジュエリー販売は、およそ25万点に上る。

 ダイヤモンドは、パンドラの製品のほんの一部にすぎないが、今回の決定は増加する人権と環境の尊重に敏感な消費者に配慮するというジュエリーブランドのトレンドに合わせたものといえる。

 合成ダイヤモンドは人権や環境に対する配慮がされてはいるものの、生成過程で高温が必要となるため、大量のエネルギーを消費する。

 パンドラによると、合成ダイヤモンドのコレクションは再生可能エネルギーを平均60%使用して製作している。同社は再生可能エネルギーの使用を来年までに100%にするという。(c)AFP