【4月30日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するメルセデスAMG(Mercedes AMG)の世界王者ルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)は29日、人種差別への抗議として今週末にソーシャルメディアを一斉に休止するSNSボイコットについて、F1主催者と温度差がある中で自身は参加する意向を明らかにした。

 イングランドのサッカー界では現在、同国サッカー協会(FA)やプレミアリーグなどの統括団体が連携し、今週末は各SNSアカウントへの投稿を停止することになっている。このボイコット運動は他の競技団体やスポンサー、そして放送局など各方面にも拡大し、欧州サッカー連盟(UEFA)も参加を表明した。

 インスタグラム(Instagram)では約2200万人、ツイッター(Twitter)では約630万人のフォロワーがいるハミルトンは、第3戦ポルトガルGP(Portuguese Grand Prix 2021)に備える中で、「今週末に自分も参加して支援するつもりだ」とし、「自分にとっては、この競技の中で人種差別が引き続き問題となっていることは、はっきりとしている」と語った。

 さらに「この問題に対抗するために、各SNSのプラットフォームについてはさらなる対処が必要だと思っている。だからこそ自分はこの運動を全面的に支持するし、自分が参加することでこの闘いの手助けになり、各プラットフォームへの圧力になるなら喜んでそうする」と話すと、「なぜF1がこれに参加しないのか分からない」と付け加えた。

 しかしながらF1では昨シーズン、人種差別問題に対抗するための膝つき運動に関してドライバーの対応が分かれたこともあり、今回の動きに対してもこぞって支援する雰囲気とは程遠いものとなっている。

 マクラーレン(McLaren)のランド・ノリス(Lando Norris)は「ボイコットが良い解決策になるかって? どうかな」とコメント。F1の主催者も30日に始まるボイコット運動には参加しない方針を明らかにした。

 F1の広報担当者は「現在直面しているオンライン上の差別行為を撲滅するべく、さらなる対処が必要だと訴えているプレミアリーグと他の競技団体、そしてアスリートの今回の行動について支持する」と話す一方で、「しかしながら、われわれは引き続き全てのプラットフォームやこの競技のファンと連携し、敬意および肯定的な評価を促進しつつ、人種差別をなくしていく」と述べた。(c)AFP