【4月28日 AFP】オーストラリアは28日、最北部にある複数の軍基地を増強し、米軍との合同演習を拡大する計画を発表した。政府高官は今週、太平洋地域に「戦鼓」が再び鳴り響くと警告していた。

 スコット・モリソン(Scott Morrison)首相は、今後5年間で5億ドル(約540億円)以上を投じて軍事訓練施設4か所を改修すると発表した。

 軍の増強計画は、2年前に案が持ち上がった当初よりも広範囲に及び、費用も膨らんでいる。北部ダーウィン(Darwin)の港に巡回駐留する米海兵隊などとの合同演習の回数を増やすことが可能となる。

 保守派のモリソン政権はここ数か月、中国との関係悪化に伴い、安全保障問題で強硬姿勢を強めている。

 今週にはある政府高官が、太平洋地域で「戦鼓」が鳴り響くのを自由主義国家が「再び聞く」ことになると警告した。先月就任したピーター・ダットン(Peter Dutton)国防相は、中台間の衝突の可能性を公言している。

 一方で、新型コロナウイルスのワクチン接種の遅延と支持率の低下から国民の注目をそらすために、政府は危機をでっち上げているとの批判も出ている。(c)AFP