【4月28日 AFP】(更新)欧州議会(European Parliament)は28日、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)後の貿易協定を圧倒的多数で批准した。その一方で、英国が協定上の義務を確実に果たすよう注視する姿勢を示した。

 賛成660、反対5、棄権32で批准された。協定をめぐっては9か月にわたる協議の末、昨年12月24日に締結合意に至った。英国が国民投票でEU離脱を決め、世界に衝撃を与えてから5年、同協定がEUと英国との新たな関係の枠組みを定めるものとなる。

 英国は協定の批准を歓迎。ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相は、「長い旅路の最終段階」であり、英国とEUとの関係に「安定」をもたらすと述べた。英国側の交渉責任者を務めるデービッド・フロスト(David Frost)氏は、「確実性をもたらし、未来に集中することができる」と語った。

 欧州委員会(European Commission)のウルズラ・フォンデアライエン(Ursula von der Leyen)委員長も、批准を「あたたかく歓迎する」とコメント。その一方で27日の議会の最終審議では、協定には「実効性」があり、英国をけん制する手段にもなるとして、「これらの手段を使いたいわけではないが、必要ならちゅうちょせず使う」と明言した。

 正式には貿易連携協定(TCA)と呼ばれる同協定は、1月1日から既に暫定発効しており、英EU間の関税と輸出入量の制限が免除されている。

 だが欧州の当事者の多くが望んでいた貿易協定に比べると野心的な内容とはいえず、外交政策や防衛をはじめ、環境や医療、その他の規制に関する協力体制については触れられていない。(c)AFP/Alex PIGMAN