【4月28日 AFP】イングランド・プレミアリーグのリバプール(Liverpool FC)は27日、2019-20シーズンの収支を報告し、税引き前損失が4600万ポンド(約69億5000万円)と、クラブのオーナーが欧州スーパーリーグ構想に賛同した理由が分かる数字が明らかにされた。

 リバプールは20日、各所からの反発を受けて物議を醸したスーパーリーグからの撤退を強いられたが、それから約1週間がたったこの日、昨季のプレミアリーグ王者は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)がクラブの財政に与えた影響を明かした。

 英国がロックダウン(都市封鎖)を行う中で、昨季のプレミアリーグは3月からしばらくシーズンが中断し、再開後も無観客開催を強いられた。そのためリバプールも第4四半期の放映権収入とマッチデー収入が大きく落ち込み、前年度の4200万ポンド(約63億5000万円)の黒字からわずか1年で赤字へと大きく下振れすることになった。

 商業収入は2900万ポンド(約43億8000万円)増えて2億1700万ポンド(約328億円)となったが、放映権収入が5900万ポンド(約89億円)減って2億200万ポンド(約305億円)、マッチデー収入が1300万ポンド(約19億6500万円)減って7100万ポンド(約107億円)となった分を埋め合わせることはできなかった。クラブ全体の人件費も、3億1000万ポンド(約469億円)から3億2500万ポンド(約491億円)に増えた。

 さらにクラブは、サポーターがスタジアムへ戻ってこられるようになるまでに、損失はおよそ1億2000万ポンド(約181億円)まで膨らむと見積もっている。

 パンデミックの影響を受け、クラブオーナーのフェンウェイ・スポーツ・グループ(Fenway Sports GroupFSG)は3月、保有する株式の10パーセントを民間投資会社のレッドバード・キャピタル(RedBird Capital)へ5億4300万ポンド(約821億円)で売却した。

 また、昨シーズンの収入には、一昨シーズンの収支報告にわずかの差で間に合わなかった18-19シーズンの欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2018-19)の優勝賞金340万ポンド(約5億1400万円)も含まれている。

 さらに報告では、新たに8社とパートナーシップ契約を結んだことが発表され、デンマークのビール大手カールスバーグ(Carlsberg)とは長期契約を更新した。(c)AFP