【4月27日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)元米大統領は26日、全世界の国々に対し、クーデターで権力を掌握したミャンマーの軍事政権に毅然(きぜん)とした態度を取るよう呼び掛け、民主派の活動に連帯を示すとともに、ミャンマーが政府が機能しない「破綻国家」になる恐れがあると警告した。

 10年前、民主化されたばかりのミャンマーを支援するために同国を訪れたオバマ氏は声明で、「世界は、ミャンマーに関心を向け続けねばならない。私は国民を痛めつける暴力にがくぜんとし、国民の声を代表する全国的な運動に感銘を受けた」と述べた。

 さらに、「より大きな自由を得た10年間の後、自らの意志を押し付けようとする国軍の非合法で残忍な試みを国民が受け入れないのは明らかであり、より広い世界も受け入れるべきではない」と続けた。

 国際情勢に関する発言を控えているオバマ氏だが、民主主義を取り戻すために、ミャンマーの「国軍に犠牲を払わせる」とするジョー・バイデン(Joe Biden)米政権や各国政府の取り組みを支持。「ミャンマーの近隣諸国は、国民に拒絶された残忍な政権が、政情不安の拡大と人道的危機、そして破綻国家になるリスクをもたらすだけだと認識すべきだ」と述べた。

 オバマ氏の発言は、東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議にミャンマー軍事政権トップのミン・アウン・フライン(Min Aung Hlaing)国軍総司令官が招待されたことを受けてのもの。ASEAN首脳会議のホスト国であるインドネシアは、ミャンマーに暴力の停止を求めた。(c)AFP