【4月25日 AFP】シリア沖で24日、イランの石油タンカーが攻撃を受け、少なくとも3人が死亡した。在英NGOのシリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)が明らかにした。このような攻撃は2011年のシリア内戦勃発以降初めて。

 シリア人権監視団のラミ・アブドルラフマン(Rami Abdel Rahman)代表は、この攻撃で「乗組員2人を含む少なくとも3人のシリア人が死亡した」と述べた。誰が攻撃を行ったのかは分かっていない。

 アブドルラフマン氏はAFPに、「イスラエルによる攻撃かどうかは分からない」と述べた。「タンカーはイランから来たもので、バニアス(Banias)港からそれほど離れていないところにいた」

 シリア人権監視団は、攻撃が無人機によるものか、ミサイルによるものかも不明だとしている。

 国営シリア・アラブ通信(SANA)は、シリア石油鉱物資源省の情報として、タンカーは「レバノンの海域方面から来た無人機によるとみられる攻撃」を受け出火したが、すでに鎮火したと伝えた。

 米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は先月、米国と中東の当局者の発言を引用した記事で、イスラエルは主にイランの石油をシリアに輸送する船舶を2019年以降、少なくとも12隻攻撃してきたと報じていた。

 シリア内戦が始まった2011年以降、イスラエルはシリアを数百回空爆している。その大半は、シリア政府を支援しているイランやレバノンのイスラム教シーア派(Shiite)政党・武装組織ヒズボラ(Hezbollah)が送りこんだ勢力や、シリア政府軍を標的にしている。(c)AFP/ Bachir El Khoury