【4月19日 AFP】ミャンマーの民主派勢力でつくる「国家統一政府(NUG)」は18日、ミャンマー情勢を協議する東南アジア諸国連合(ASEAN)の特別首脳会議へのNUG代表の出席を認めるよう要請するとともに、クーデターで実権を掌握した軍事政権を承認しないよう関係各国に訴えた。

 24日にインドネシア・ジャカルタで開かれる会議には、軍事政権トップのミン・アウン・フライン(Min Aung Hlaing)国軍総司令官が出席する見通し。同氏にとっては、2月のクーデター後初の外遊となる。

 NUGのモー・ゾー・ウー(Moe Zaw Oo)副外相は、米国営ラジオ放送局ボイス・オブ・アメリカ(VOA)のビルマ語放送で、「ASEANがミャンマー情勢の解決に貢献したいのであれば、国民に支持され、完全な正統性を有するNUGとの協議・交渉なしには、何も成し遂げることはできないだろう」と述べた。

 NUGは16日、軍事政権の拘束下にあるアウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)国家顧問率いる国民民主連盟(NLD)の議員らが少数民族出身の政治家らと共に発足させた。

■日本人ジャーナリスト再び拘束

 ミャンマーの最大都市ヤンゴンでは18日、日本人フリージャーナリストの北角裕樹(Yuki Kitazumi)さんが自宅で拘束された。北角さんは2月にも抗議デモを取材中に暴行され一時拘束されたが、その後解放されていた。

 在ミャンマー日本大使館の関係者は19日、AFPの取材に、北角さんが警察の勾留施設から同日朝までに、政治犯を収容するインセイン(Insein)刑務所に移送されたことを確認したと述べた。訴追はされておらず、大使館職員が面会を要請しているという。

 加藤勝信(Katsunobu Kato)官房長官は、「ミャンマー側に早期解放を求めており、引き続き邦人保護に万全を期していきたい」と述べた。

 監視団体「Reporting ASEAN」によると、ミャンマーでクーデター後に拘束された記者は65人以上に上り、少なくとも34人が現在も拘束されたままという。(c)AFP