【4月16日 CNS】「中国版ニコニコ動画」とも呼ばれる中国の動画共有サイト大手「ビリビリ動画(bilibili)」は先月29日、1株808香港ドル(約1万1375円)で香港証券取引所に上場した。初日は一時6%まで下落したが終盤は下落幅が狭まり、総市場価値は約2980億1900万香港ドル(約4兆1956億円)になった。

 ビリビリの陳睿(Chen Rui)会長兼最高経営責任者(CEO)は「先週、中国本土外で上場している中国企業の株価がこの5年間で最大の下げ幅を記録した。この状況下で、ビリビリの上場は成功といえる」と話し、株価が下落スタートしたことは意に介さなかった。

 ビリビリは2018年3月28日に1株11.5米ドル(約1259円)の価格でナスダック(Nasdaq)に上場した際も初日は2.26%下落したが、最近は一時890%まで上昇した。陳睿氏は「10年後に上場初日の株価が上がったか下がったか覚えている人はいないだろう」と述べ、短期的な株価動向は気にしない姿勢を示した。

 ビリビリは月間利用者数が2億人を超える動画共有サイトの「巨人」だ。陳睿氏は2023年までに月間利用者数を4億人にする目標を掲げている。「ビリビリのユーザーの86%は35歳未満で、特に1995年以降に生まれた若者の割合が高い。2020年の1日平均動画再生回数は12億回。ユーザーの1日平均使用時間は80分を越え、業界平均の29.8分を大きく上回っている」と自負した。

 ビリビリの2020年の総収入は120億元(約2004億円)に達し、前年比77%増という急成長ぶり。ゲームや広告、eコマース、付加価値サービスなど幅広い分野にビジネスを拡大し、収益構造はよりバランスが取れるようになっているという。(c)CNS-中国経済網/JCM/AFPBB News