【12月12日 CNS】上海市の永康路にあるちょっと変わったコーヒーショップに最近、長い行列ができるようになった。店の名前は「熊の手コーヒー」。ドアもいすもなく、灰色の壁に小さい穴があるだけ。壁の下のQRコードをスキャンして注文すると、店員が手にはめた「熊の手」が穴から出てきて客にコーヒーを手渡ししている。

 店は4人のスタッフが切り盛りしており、店長の瑩瑩さんと店員の薇薇さんは聴覚障害者。2人ともコーヒーマスターの資格を持ち、瑩瑩さんは第6回全国障害者職業技能コンクールのコーヒードリップ部門で優勝している。海外でこうした店舗があるのを知り、障害者が働ける場所作りとして始めたという。

 ニュースで取り上げられると連日、多くの客が訪れるようになった。熊の手からコーヒーを受け取るシーンを撮影し、SNSでアップすることも人気に。熊の手もコーヒーを手渡した後、客と握手を交わしたり手を振ったりして交流を深めている。店では障害者にコーヒー1杯を無料で提供しており、障害者の支援のため訪れる人も多い。(c)CNS/JCM/AFPBB News