【4月12日 AFP】新型コロナウイルス変異株などにより死者数が急増しているブラジルで3月、集中治療室(ICU)で治療を受けたコロナ患者のうち、40歳未満の患者数が、40歳以上の患者数を上回ったことが分かった。同国の専門家が11日、明らかにした。

 ブラジル集中治療医学会(AMIB)が主導するブラジルICUプロジェクト(Brazilian ICUs project)によると、新型ウイルス感染によりICUで治療を受けた40歳未満の患者数は3月、1万1000人余りに大幅に増加。ICU患者全体の52.2%に上り、流行初期の14.6%や昨年9月〜今年2月の約45%から上昇した。

 40歳未満のICU患者増加について、プロジェクトの共同統括者、エデルロン・レゼンデ(Ederlon Rezende)氏は、さまざまな要因が考えられると言明。80歳を超える患者の大半がワクチン接種を済ませていると指摘した。80歳を超えるICU患者数の割合は3月、ICU患者全体の7.8%となり、13.6%から低下した。

 レゼンデ氏はまた、年齢層の低い人は仕事のための外出の必要性や、自身の感染リスクが低いとする考えなどから、ウイルスにさらされる可能性が高いと述べた。その他、同国で確認されているウイルス変異株「P1」も要因とみられている。専門家らはこの変異株が一因で、同国で3月のコロナ死者数が爆発的に増えたとしている。(c)AFP