【4月10日 AFP】ブラジルのジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領は9日、最高裁判所が上院に対し、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)をめぐる政府の対応について調査を命じたことを受け、自身は「司法アクティビズム」の犠牲者だと述べた。

 前日、最高裁のルイス・ロベルト・バロッソ(Luis Roberto Barroso)判事は、ボルソナロ氏の新型コロナウイルス対応について調査の開始を決定した。これに従い上院委員会は「政府の対策と不作為(中略)、特にアマゾナス(Amazonas)州で入院患者用の酸素が不足した後の医療危機の悪化について」調査する。

 アマゾナス州の州都マナウス(Manaus)では1月、病院で新型コロナ患者用の酸素が不足し、数十人が死亡した。

 ブラジル国内の死者数は34万5000人に上っているが、ボルソナロ氏は新型コロナウイルスを軽視する言動を繰り返している。今回の調査はボルソナロ氏にとってダメージとなる可能性がある。

 ボルソナロ氏にとってもう一つの打撃は最高裁が8日、新型コロナウイルス対策の規制下で各地方当局が教会に出席しての礼拝を禁じることを許可したことだ。同氏はこれに強く反対していた。(c)AFP