【4月10日 AFP】欧州連合(EU)の欧州医薬品庁(EMA)は9日、米医薬品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製の新型コロナウイルスワクチン接種者が血栓を発症した事例について調査していると発表した。英製薬大手アストラゼネカ(AstraZeneca)製ワクチンについても、関連が疑われる新たな症例について調査を開始したと明らかにした。

 EMAの発表によると、J&J製ワクチン接種者のうち4人が、血小板減少を伴うまれな血栓症を発症し、うち1人が死亡。患者のうち1人は臨床試験(治験)段階で、3人は米国での一般向け接種後に発症した。

 アストラゼネカ製ワクチンでは、接種後に5人が毛細血管漏出症候群を発症した。同症候群は、毛細血管から血液が漏れ、腫れと血圧低下を引き起こすまれな病気。EMAは両ワクチンと発症例について「因果関係があるかどうかはまだ不明」としている。

 EMAは7日、アストラゼネカ製のワクチンについて、血栓を非常にまれな副反応と認定していた。同社製とJ&J製のワクチンはいずれも、類似したアデノウイルスベクター技術を採用している。(c)AFP/Danny KEMP