【4月9日 AFP】スペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)が、10日のレアル・マドリード(Real Madrid)戦に勝利して首位に浮上することで、ロナルド・クーマン(Ronald Koeman)監督の下での進化を確実なものにしようとしている中、リオネル・メッシ(Lionel Messi)にとっては自身45回目となる「エル・クラシコ(El Clasico)」は今回が最後になるかもしれない。

 今回のクラシコでどちらかが勝利した場合、2月初めに消化試合数が一つ少ない中で勝ち点10差をつけて首位に立っていたアトレティコ・マドリード(Atletico de Madrid)は昨年12月以来の首位陥落となり、勝った方が暫定ながらトップの座に躍り出る。

 バルセロナとレアルの復調に加えてアトレティコが最近停滞していることで、これまでのアドバンテージはほとんどなくなり、今後はアトレティコが調子を取り戻し、本来の姿を取り戻して最後まで優勝争いに踏みとどまれるのかどうかが問われてくる。

 残り9試合でアトレティコがどのチームを抑えなければならないか、あるいは追いつかねばならないかは、今週末に行われるクラシコの結果次第で決まるかもしれない。

 バルセロナが勝利すれば、希望を感じさせるここ数か月を送ってきた中で新しい重要なチェックポイントになり、メッシがこの夏に何を決断するのかという不確かさが続く中で、立て直しの始まりになるかもしれない。

 バルセロナのジョアン・ラポルタ(Joan Laporta)会長は就任後、メッシの気を引くような発言を続けている。しかし、当のメッシは1年前に崩壊したチームが新指揮官の下で徐々に再生する姿を目の当たりにしており、自身がピッチ上で目にし、実際に感じていることの方がより説得力があるのかもしれない。

 クーマン監督はチームの若手を信頼しており、ペドリ(Pedro Gonzalez Lopez 'Pedri’)やロナルド・アラウホ(Ronald Araujo)、セルジーニョ・デスト(Sergino Dest)、オスカル・ミンゲサ(Oscar Mingueza)、イライシ・モリバ(Ilaix Moriba)らは頭角を現しつつある。

 メッシもそうした若手の成長に一役買っており、ミンゲサ、モリバ、デスト、フランシスコ・トリンコン(Francisco Trincao)のリーグ戦での初ゴールは同選手のアシストから生まれた。

 また、メッシ自身も勢いを取り戻しており、リーグ戦ではここまで23得点を挙げて得点ランキングの首位の座に返り咲き、今年に入ってからは公式戦20試合で19得点をマークしている。

 しかし、16年前から数えてレアルと44度にわたって対戦し、2度のハットトリックを含む計26得点を挙げてきたメッシにとって今回が最後のクラシコということになれば、余分なシーズンをうまく使い、気持ちの落ち込みや苦しさを消し、復活の中で自分の立場は安泰だと考えているかもしれない。

 クーマン監督は2月、「彼の未来を決められるのは一人しかいない。それは彼自身」とした上で、「彼にはあと何年も残ってほしい。今と同様、彼が幸せでいられるようにするだけ」と述べていた。(c)AFP/Thomas ALLNUTT