【4月8日 AFP】(更新)スーダン・西ダルフール(West Darfur)州の州都ジェネイナ(El Geneina)で民族間衝突が発生し、戦闘が連日続いている。同州知事は8日、医療当局からの報告として、これまでに少なくとも132人が死亡したと発表した。

 戦闘は3日、マサリート人とアラブ系部族との間で始まった。国連(UN)によると数千人が避難を余儀なくされ、隣国チャドまで逃げた人もいる。

 地元住民と国連によれば、銃撃や砲撃を含む戦闘が連日続き、発電所が破壊されたほか、救急車や病院への攻撃もあり被害が出ている。スーダン政府は5日、非常事態を宣言し、西ダルフール州に治安部隊を派遣した。

 国連は、人道支援の主要拠点であるジェネイナへの航空機の乗り入れと現地での援助活動を中止した。これにより70万人余りに影響が出るとしている。

 スーダン西部のダルフール地方は、2003年に始まった紛争で荒廃した。独裁体制を敷いていたオマル・ハッサン・アハメド・バシル(Omar Hassan Ahmed al-Bashir)大統領(当時)に少数民族の反政府勢力が蜂起したこの紛争では、政府がアラブ系民兵組織「ジャンジャウィード(Janjaweed)」を利用して反撃。国連発表で約30万人が死亡、250万人が自宅を追われた。

 紛争はここ数年で鎮静化し、昨年10月に和平合意が締結されたが、長年に及ぶ紛争でダルフール地方には自動小銃などの武器が多数残されており、土地争いや水争いをきっかけに衝突が相次いでいる。1月にも民族間衝突が起き、国連によると10万人が避難生活を送っている。(c)AFP