【4月7日 AFP】スペイン1部リーグの試合中にバレンシア(Valencia CF)のMFムクタル・ディアカビ(Mouctar Diakhaby)に人種差別的発言をしたとされているカディス(Cadiz CF)のカラ(Juan Torres Ruiz 'Cala')が6日、記者会見に出席してこの疑惑を強く否定し、自身は「サーカス」や「魔女狩り」の被害者だと主張した。これに対してバレンシアは怒りの反応を見せ、発表文の中で「あなたを信じない」と記した。

 4日の第29節では、カラと激しく口論したディアカビが人種差別の被害を訴えてピッチを後にすると、バレンシアの他の選手も抗議のために前半の途中でそれに続いた。試合は中断となったが、後に再開された。

 カラの会見に先立ちディアカビは、SNSに投稿した映像の中でこの件に関して初めて口を開き、「ある選手が(人種に関して)僕を侮辱した。それは我慢できないこと。許せないし、誰もが僕の反応を目にした」と述べていた。

 ディアカビはまた、カラが謝罪に応じたらバレンシアの選手はピッチに戻るのかとカディスの選手に聞かれたと主張し、「チームメートと僕は戻らないと答えた。謝っただけでは済まないこともある」と続けた。

 試合後、初めて公の場で話すことになったカラは「出席せざるを得なくなった」と切り出し、ディアカビには「ほっておいてくれ」と言っただけだと人種差別疑惑を否定した。

 カラは「そんな(人種差別的な)ことは絶対に言っていない」と話し、「彼の言う全てがでたらめ。僕なら謝るという選手がもしカディスにいるなら、僕はサッカーをやめる。これはメディアによる魔女狩りだ」と続けた。

「僕は『ほっておいてくれ』と言った。彼が話をでっち上げたのか、何か違うことだと理解したかのどちらか」

「私の信用を落とそうとしている全ての人に対して法的措置を取る」

「ここには2人の被害者がいる。1人は非難された選手で、もう1人は自身が人種差別の被害者だと信じている選手だ」

 バレンシアの選手がピッチを離れた際、カラは「びっくりして当惑した」といい、会見中に「スペインサッカー界に人種差別は存在しない」という言葉を繰り返した。

 カラの記者会見にバレンシア側は怒りをあらわにし、「フアン・カラ、われわれはあなたを信じない」という表題の発表文を公開している。

 人種差別への抗議が目的で、1部リーグのチームが試合中に初めてピッチを後にしたこの件について、リーグ側は調査を進めている。(c)AFP