【4月6日 AFP】米大リーグ機構(MLB)がオールスターゲーム2021(91st All-Star Game)の開催地をジョージア州アトランタ(Atlanta)から変更する動きに出たことを受け、共和党のミッチ・マコネル(Mitch McConnell)上院院内総務は5日、企業側は「経済的な恐喝」をすべきでないと警告した。

 7月13日に予定されているオールスターゲームに関して、MLBは2日に開催地をジョージア州から変更すると表明してアトランタに衝撃を与えた。この動きは、同州で主にアフリカ系米国人を標的にしたと思われる新しい選挙法が可決されたことに抗議するものとなっている。

 MLBのロブ・マンフレッド(Rob Manfred)コミッショナーは、「MLBは原則的に全ての米国人の投票権を支持し、投票箱に関する制限に反対する」と強調すると、「これからもこの競技が揺るぎなく支持するのは、公平な手段による投票である」と述べた。

 これに対してマコネル氏は、国民に人気が高い真夏の祭典の開催権がアトランタの街から剥奪されるのは共和党が支持する法律に反対するための圧力であるとして、「権力と富を保持している人間が、米国民を欺いて脅すための組織的なキャンペーン」に等しいと反発。

 また、投票に制限を加える今回の法律に対抗してMLBと反人種差別活動に味方する企業は「極左的な暴徒」であると批判し、「企業は経済的な脅迫を利用して間違った情報を拡散したり、無記名投票制度に関して市民が拒否する悪い考えを押しつけたりするべきではない」と主張した。

 この法律をめぐっては、ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領をはじめ民主党員やアフリカ系米国人の指導者が先日、19世紀後半から20世紀前半にかけて黒人の政治的および経済的権力を抑制するのに利用された「ジム・クロウ(Jim Crow)法のバージョン2」であると非難していた。

 同州で人口が多い民主党支持派の黒人有権者にとって不利な内容の法案を通過させたことで、最近の選挙で大敗を喫していた共和党の議員は、この法律が偏って評価されていると反発すると同時に、バイデン大統領が国民に間違った情報を与えていると批判した。(c)AFP