【4月3日 AFP】米大リーグ機構(MLB)機構は2日、7月13日に開催予定のオールスターゲーム2021(91st All-Star Game)の会場をジョージア州アトランタ(Atlanta)から変更すると明らかにした。

 同州で黒人市民の投票権に不利な影響を与え得る新しい法律が可決され、懸念が示されたことを受けての対応で、ロブ・マンフレッド(Rob Manfred)コミッショナーは、「今年のオールスターゲームとMLBドラフトの開催地を変更することが、競技としてのわれわれの価値観を示す最良の方法だ」と述べている。

 ジョージア州のブライアン・ケンプ(Brian Kemp)知事が前週署名した州法に対しては、期日前投票の身分証明を厳格化したり、投票箱の使用を限定したりするなど、有権者に厳しい制限が加えられるとして批判の声が集まっている。ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領も先月31日、同国スポーツ専門チャンネルESPNに対して、この選挙関連法をめぐり球宴の開催地をアトランタから変更することを支持すると話していた。

 コミッショナーによると、新しい開催地については、MLBが計画を「まとめている」最中だという。また、リーグは各球団をはじめ元選手や現役選手、選手会(MLBPA)と「思慮深い協議を行い」、意見を検討してから決定を下すとしている。

 一方、球宴が行われる予定だった球場を本拠地とするアトランタ・ブレーブス(Atlanta Braves)は、「2021年オールスターゲームの開催地を変更するというMLBの決定に深く落胆している」と失望感を示し、「これは、われわれの決定でも勧告でもない。われわれの街でファンがイベントを見られないことを悲しんでいる」とコメントした。

「ブレーブスはこれからも、平等な投票機会の重要性を訴え続けていく。われわれは、街が議論を深めるプラットフォームとしてこのイベントを利用することを望んでいた」 (c)AFP