【4月3日 AFP】英国で、英製薬大手アストラゼネカ(AstraZeneca)製の新型コロナウイルスワクチン接種を受けた1800万人以上のうち、希少な血栓症を発症したのは30人だったことが、医薬品・医療製品規制庁(MHRA)の発表により明らかになった。MHRAは同社製ワクチンについて、「効果は依然としてリスクを上回る」とし、接種継続を呼び掛けている。

 発表によると、先月24日までの症例報告は、脳静脈洞血栓症(CVST)が22人、血小板減少を伴う他の血栓症は8人だった。MHRAは「この特定のタイプの血栓を発症するリスクは非常に小さい」と指摘。「これまでに報告された、有害反応と疑われている症例の数と性質は、日常的に使用される他の種類のワクチンと比べて珍しいものではない」とした。

 ただ、米製薬大手ファイザー(Pfizer)と独製薬ベンチャーのビオンテック(BioNTech)が共同開発した新型コロナワクチンの接種者では、こうした症例の報告はなかった。

 アストラゼネカ製ワクチンをめぐっては、オランダが2日、まれな血栓発症と関連しているとの懸念から、60歳未満の接種を停止すると発表。同国では25〜65歳の女性5人の発症が報告され、うち1人が死亡している。ドイツも今週、同ワクチンの60歳未満への接種制限を発表していた。

 世界保健機関(WHO)と欧州医薬品庁(EMA)はいずれも、アストラゼネカ製ワクチンの安全性を確認している。EMAは今月7日、血栓の問題について改めて勧告を出す予定。(c)AFP