【4月3日 AFP】英国放送協会(BBC)の中国特派員が、当局から圧力を受けたとして、中国から転出した。これを受けて欧州連合(EU)は2日、中国における外国人ジャーナリストへの「嫌がらせ」を強く非難した。

 ジョン・サドワース(John Sudworth)特派員は、新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)における綿産業での強制労働疑惑などを取材。

 中国外務省の報道官は、BBCが「イデオロギー上の強い偏見に基づき、多数のフェイクニュースを拡散している」と非難している。

 中国の国営メディアや当局から度重なる批判にさらされてきたサドワース氏は先月31日、台湾に転出したことを明らかにした。

 EUのジョセップ・ボレル(Josep Borrell)欧州委員(外交安全保障上級代表)は声明で「繰り返される嫌がらせと取材妨害の結果、外国人特派員がまた中国を追われることになった。昨年にも、少なくとも18人の特派員が国外退去を余儀なくされている」と指摘。

「EUは中国当局に対し、外国人ジャーナリストらに課された不当な業務制約と、これに関連する嫌がらせの報告をめぐり、何度も懸念を表明してきた」と強調した。

 報道の自由の擁護団体によると、中国国内での取材範囲はより厳しく制限されるようになっており、記者らが尾行されたり、インターネット上で嫌がらせを受けたり、ビザ(査証)の発給を拒まれたりしている。(c)AFP