【4月2日 AFP】米大リーグ(MLB)は1日、2021年シーズンが各地で開幕した。ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)の本拠地には2019年10月以来となる観客が戻り、グローブやチームのユニホーム、そしてマスクを着用したファンの姿が見られた。

 2020年シーズンのMLBは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)でスケジュールが短縮。これまで約4万9000人以上のニューヨーク市民がウイルスの犠牲になっている中、ヤンキースは昨季のホームゲームが全て無観客での開催となっていた。

 現在もワクチンの接種会場として使われているヤンキー・スタジアム(Yankee Stadium)ではこの日、州の制限措置が緩和される中で、約5万4000席の20パーセントに相当する約1万1000人のファンがトロント・ブルージェイズ(Toronto Blue Jays)戦に足を運べることになった。

 父親と一緒にシーズンチケットを持って観戦に訪れた10歳のデビッド・ウィックランド(David Wickland)君は、「僕たちにとってヤンキースはすべてだから、(昨シーズンは)とてもつらい年だった。戻って来られてとてもわくわくしている」と話した。

 午後1時5分のプレーボール2時間前に到着したという60歳の女性は、「ここに来るのが待ちきれなかった。可能なら昨夜ここに来ていた」とすると、その隣人も観客数が限られているとはいえ、球場は「最高に盛り上がるはず」と語った。

 また、27歳の医学生は「きっと満員の雰囲気になるだろう」と話す一方で、観客数が少ないおかげで本塁打をキャッチする可能性が高くなることを願っているという10歳の別の少年は、万一に備えてグローブをはめながら、「きっとキャッチのチャンスに恵まれるよ!」と期待に胸を膨らませていた。

 ファンは球場入りする前に、ワクチン接種が完了しているか72時間以内の検査で陰性が確認されていなければならないほか、入り口では検温が実施された。中に入った後は、数席にまとめられた「ポッド」に着席して互いに6フィート(約1.8メートル)の間隔を開けることや、米国の「ナショナルパスタイム(国民的娯楽)」の重要な一部分である飲食時を除いて終始マスクを着用することが義務付けられている。(c)AFP/Peter HUTCHISON