【解説】ミャンマーの少数民族武装勢力
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【4月1日 AFP】国軍のクーデターによる混乱が続くミャンマーで、軍によるデモ弾圧に対し報復を警告するなど、国内の少数民族武力勢力に注目が集まっている。
ミャンマーは1948年、英国の植民地支配から独立。文化、民族、言語が異なる複雑な寄せ集め国家が誕生した。
シンクタンク「国際危機グループ(ICG)」によると、ミャンマーの国土の約3分の1が、20余りの武装勢力によって支配されていると推定される。この大半が、国境沿いの地域だという。
主な武装勢力には、ワ州連合軍(UWSA)、カレン民族同盟(KNU)、カチン独立軍(KIA)、アラカン軍(AA)、タアン民族解放軍(TNLA)、ミャンマー民族民主同盟軍(MNDAA)が含まれる。
長年軍事政権が続いた後、一時的に民政に移管したミャンマーでは2015年以降、10の武装勢力が政府と全国規模の停戦合意に署名した。
だが、北部カチン(Kachin)州やシャン(Shan)州、西部ラカイン(Rakhine)州など一部地域では戦闘が続き、民間人が巻き込まれることもあった。
中国の支援を受けるUWSAは、常時2万5000人の兵力を持ち、非国家武装組織としては世界最大勢力の一つとなっている。
2月1日、国軍がクーデターを起こし、アウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)国家顧問を拘束すると、複数の武装勢力は直ちに軍を批判した。
ミャンマーで最も古い武装勢力KNUは、クーデターは国家に損害を与えると非難。一方、シャン州復興評議会(RCSS)は、国軍は「民主主義のあらゆる規範」に違反しており、信用できないと述べた。
さらに、TNLA、MNDAA、AAは3月30日、軍が弾圧をやめず、人々の殺害を続けるなら、抗議デモ参加者らと協力し反撃すると、報復を警告する共同声明を発表した。(c)AFP