【3月31日 AFP】国連(UN)は30日、フランス軍が西アフリカ・マリで今年1月実施した空爆により、民間人19人が死亡したとする報告書を発表した。フランス政府は報告書の内容を強く否定している。

 フランス空軍は1月3日、マリの辺境地にある村ブンティ(Bounti)の近くを空爆。村の住民は、結婚式が空爆を受けて民間人が死亡したと主張していた。一方でフランス軍は、空爆で死亡したのは民間人ではなくイスラム過激派であり、ブンティでは結婚式も行われていなかったと主張した。

 国連マリ多次元統合安定化派遣団(MINUSMA)はその後、調査を開始。その結果をまとめた報告書では、結婚式が実際に行われ「空爆の現場には民間人約100人が集まっていた」と結論した。式にはさらに、イスラム過激派組織のメンバーとみられる武装した人物が5人前後出席していたとされた。

 フランス国防省は、民間人死者が出たとの見方を改めて否定。「武装テロ集団」を特定して攻撃したとの立場を「一貫して保持し、強く再確認する」と表明した。

 報告書によると、空爆の死者は少なくとも22人で、うち19人が民間人。女性や子どもの犠牲者はいなかった。(c)AFP