【3月30日 AFP】タイに国境を接するミャンマー東部カイン(カレン、Karen)州で先週末、自宅の竹でできた小屋がミャンマー国軍の空爆を受け父親は死亡したものの、膝の上に座っていた間もなく3歳になる男児は奇跡的に一命を取り留めた。

 ミャンマーは、先月1日のクーデターでアウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)国家顧問が国軍に拘束されて以降、民政復帰を求める大規模なデモが続いており、混乱状態にある。

 カイン州では、武力勢力が軍の基地を占拠。その数時間後の27日夜、軍が同州で約20年ぶりとなる空爆を開始した。

 デイブドー(Day Bu Doh)渓谷を襲った空爆は、ソー・タ・エ・カ・ル・モー・トォ(Saw Ta Eh Ka Lu Moo Taw)ちゃんが、農業を営む両親と暮らす竹小屋にも及んだ。

 キリスト教系人道支援団体「フリー・ビルマ・レンジャーズ(Free Burma Rangers)」のデビッド・ユーバンク(David Eubank)氏はAFPに対し、父親のソー・エイ・ライ・トゥー(Saw Aye Lay Htoo)さん(27)は、爆弾の破片で即死したと語った。

 一方、父親の膝の上に座っていたソー・タ・エ・カ・ル・モー・トォちゃんは助かったが首を負傷し、体内には破片が残っているという。現在、同団体の診療所で、感染症予防の抗生物質投与などの治療を受けており、破片を取り除く手術が行われる予定。

 ユーバンク氏によると、ソー・タ・エ・カ・ル・モー・トォちゃんは父親が死んだことを理解しており、母親とともにショックを受け、悲しみに暮れているという。(c)AFP