【3月29日 AFP】エジプトのスエズ運河(Suez Canal)で巨大コンテナ船が座礁した事故で、28日、現地では復旧作業が進めば離礁に至るとの期待感が広がった。船が運河をふさいでから6日がたっており、国際貿易への打撃から世界経済に数十億ドル(数千億円)の損失が出ている。

 同日、復旧作業に当たるボートが追加され、専門家らは同日夜に運河で見込まれている満潮で離礁作業が進むとの見方を示した。船舶位置情報サイト、marinetraffic.comvesselfinder.comの同日の情報によると、復旧作業の支援のため新たに運河に向かったのは、イタリア船籍の「カルロ・マーニョ(Carlo Magno)」とオランダ船籍の「アルプ・ガード(Alp Guard)」のタグボート2隻。

 英海運専門紙ロイズリスト(Lloyd's List)編集者リチャード・ミード(Richard Meade)氏は、「復旧作業を知る」複数の関係者の話として、楽観的な見方が広がっていることを明らかにした。関係者らは「今後24〜48時間以内にコンテナ船を動かせる可能性を期待」している。

 復旧作業ではコンテナ船周りの土砂の除去作業が急ピッチで進められ、スエズ運河庁(Suez Canal Authority)のジョージ・サフワット(George Safwat)報道官によると、同日までに2万7000立方メートル、深さ18メートルまでの土砂が取り除かれた。現場には厳重な警備が敷かれ、軍人や警官が増員されている。(c)AFP/Mohamed Abouelenen